日日是奮闘。

産業カウンセラーとして活躍していきたい私の日常です。今までの勉強、日々のこと、将来のこと何でも書きます。

わたしをほぐす旅行2 ~勢いよく~

持ち越しにしていた阪急電車今津線の話し。


有川ひろさんの作品がすごく好きで、発売されるとすぐに買うぐらいです。
ただし、単行本だと収納スペースがないので、文庫本が出るのを本気で待つ。
本気と書いてマジと読むぐらい真剣に待つ。

昔から本を読むのは好きだったけど、「作家の〇〇さんの本は片っ端から読みます」という感情が芽生えたのは有川さんが最初でした。
どの本もハズれなし。

特に好きなのが「阪急電車」でした。
阪急電車今津線の沿線で繰り広げられる人と人とのストーリー。
袖振り合うも他生の縁とはこのことよ。

文庫本は何度も何度も読んだし、映画も見た。
女友達へのプレゼントに悩んだら、とりあえず「阪急電車」あげるぐらいの勢い。
あげすぎて、誰にあげたかをメモっておかないと2重で渡しそうな勢い。
2重で渡してもいいよね、1冊寝室、1冊リビング、またはトイレに置いておいてもよいよね、ぐらいの勢い。

映画の聖地巡礼とも言えるし、本の聖地巡礼ともいえる今回の今津線の旅。

大阪の鉄道が入り組みすぎていて、ホテル最寄り駅からどう行けば今津線にたどり着くのか
本当に謎めいていましたが、近鉄様のおかげで無事に今津へ行けました。
ちょうどいい塩梅に三宮行きの急行が出ていたのは、正に天の啓示。


本当は宝塚から西宮北口駅を目指したかったけど、西宮北口スタートからの宝塚折り返しに。


まずは西宮北口のコンコースで、西宮北口の章を読む。
本の中の光景が目の前にあるというのはなんという没入感。
思わず、本の中の登場人物を探しかねん勢い。
いや、探すでしょう。

ひと駅乗って、門戸厄神駅。
電車を下りる。
改札内にある駅スタンプを雑記帳に押す。
ホームに戻り門戸厄神駅の章を読む。
ミサと康江が座ったであろうベンチに座って読む。

なんという贅沢。
極上の贅沢。

もう少し暖かい方が、ホームで本を読むのには適していたけど、
また暖かいときに来ようという気持ちは最高の土産だと思う。


短い今津線でのハイライトは小林駅(と私は勝手に思う)。
「小林はいい駅よ」という時江のセリフ。
映画だと宮本信子さん。素敵すぎる・・・・!!
小林駅はいい駅だという情報のみで降りる。のんびりとした駅。
駅周りをちょっとぐるぐる。
もう少し遠くまで歩こうかと思ったけど、傾いた夕日がちょいと気になり、そこそこのところでUターン。
また次に来よう。

そして小林はもう一つ。
祥子とショウコが出会う駅。
中谷美紀さん演じる祥子がりんと座っていたベンチに座って、小林の章を味わう。
これですよ、これ。
これがしたかったし、これを求めていたし、これが贅沢なのだと。

夕日が差し込む小林駅。
ホームに滑り込む阪急電車
日陰。
降りる人、乗る人。
ベンチ。
出発のモーター音。
また差し込む夕日は一層色が濃くなっている。


あまりに自然の光景に、何度電車を見送ったことか(←変人の極み)


小説「阪急電車」は、スペシャルなことは何も起きない。
ただ毎日があり、奇跡はその毎日の中にふと現れる。それってよくない?と思わせてくれる。
もちろん袖振り合うも他生の縁で出会うすべてが奇跡なんだけど、
ギラギラの奇跡じゃなくて、水滴がたまたま偶然コップに落ちて波紋がきれいだね的なそんな感じの奇跡。
奇跡って英訳するとミラクルっていうけど、そんなクルクルな感じじゃない。
ただ読み終わったあと、すっくと立ち上れるようなそんな本です。

そしてそんな本の舞台もまさにその通りで。
本当にふつーーーーの電車、ふつーーーーの駅。
(もちろん私にとっては聖地ですが(笑)))
でも、何かが起こりそうな、起こらなさそうな、ごくごく自然に電車来るよね的な。


車とも違う、電車の画一的な感じは「繰り返す日常」を色濃く印象付ける気がします。
特に日本の鉄道は時刻通りに来て、決まったところにきちんと止まり、
人を下ろし、人を乗せまた定刻通りに去っていく。
金太郎あめのようにも見えるけど、車両も違うし乗っている人もいつも違う。
よく見ると、繰り返す日常なんてないんだよ、という結論を発見。
すごいぜ、阪急電車(←違)


繰り返す、と言えば最後に。
宝塚駅に電車が滑り込む時。
川を渡り、宝塚劇場が見えてくる光景を動画に収めたく、スマホのビデオを回していました。
宝塚駅で満足げに動画を再生するとなんと河川敷に「生」。
生!
生の文字が!!!
(生は「なま」と読みましょう)

まさかこのアートがまだ残っているとは!!
これも小説「阪急電車」ではキーポイントとなる聖地のひとつ。

わが目でもう一度見たい!!写真に収めたい!!!
・・・・・と思い、シャッターチャンスを狙い宝塚南口駅と宝塚駅を3往復したのは内緒の話し。